送電線の下にある不動産は価格が安くなったり売却できないことがあります。
しかし、全ての送電線が不動産売却に影響するわけではありません。
そこで、適正な価格で売却できるよう、どのような種類の送電線が不動産の評価にどの程度影響するのか、ご説明します。
送電線の種類
送電線と一言で言っても以下の3種類があります。
●低圧（交流：600V以下、直流：750V以下）
●高圧（交流：600V超〜7,000V以下、直流：750V超〜7,000V以下）
●特別高圧（交流：7,000V超、直流：7,000V超）
特別高圧は大規模な工場などに使われ、大きな鉄塔で変電所から直接引き込みます。
他の電気は複数の変電所を経て減圧され、高圧となって、街中に張り巡らされた配電線を介して家の近くの電柱に届けられます。
そして、電柱の変圧器で減圧され、配電線で家に供給されるのです。
なので、大きな鉄塔の下になくても、高圧線の下にある可能性があるのです。
なぜ送電線が不動産売却に影響を与えるのか？
送電線が不動産売却に影響を与える理由は以下です。
建築制限がある
電流や電磁波による健康被害、火災の防止のため、送電線とは一定の距離を保たなければならないため、建築制限があります。
そのため、自由に建物を建てることができません。
電力会社からの補償金
送電線を設置した土地の方には電力会社から補償金が支払われます。
補償金の支払い方法が契約締結時に一括払いであった場合、買い手は電力会社からの補償金を受け取れないため、補償金の分価格を下げなければ売れません。
騒音
鉄塔や電線は風によって騒音が発生するため、売却価格が下がりやすいです。
送電線下の不動産の評価の調べ方
送電線下の物件であっても価格が下がらないケースもあるので、不動産売却の前にどのぐらいの評価になるか調べましょう。
送電線の国有地の評価基準
送電線下の土地を国有地として電力会社が使用する場合、更地価格の30%を評価額とするので、これを基準に評価を予測できます。
地役権設定登記の確認
電力会社は高さ○ｍ以上の建物を建ててはならないなどの地役権を設定し、その対価に補償金を支払っているので、地役権設定登記は必ず確認しましょう。
送電線架設保持に関する契約の確認
送電線架設保持に関する契約は地役権の代わりに結ばれることが多いです。
送電線架設保持に関する契約を結ぶと毎年お金が支払われるので、契約が結ばれているか確認しましょう。
まとめ
送電線下の不動産売却は建築制限や騒音などの理由で一般的に価格が下がり売りづらいです。
しかし、すべての送電線下の不動産の評価が下がるわけではありません。
地役権設定登記や送電線架設保持に関する契約があれば価格は下がりにくいので、不動産売却前に必ず確認しましょう。
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